似非9度と騙りの10度

ピアノを始めるまで、自分の手のひらのことはあまり考えたことはなかった。

 

手足が短い方だから、指も少し短めかもしれない、とは薄々感じていたことだ。

果たしてそこには、指の長さと、掌の長さの極わずかなバランスのズレ、というものが存在していた。

 

そして、ピアノを始めてから、改めて手は大きくない、少なくとも指は長くはないことを意識した。

 

やはり少し指の長さの方が不足している。

つまり掌勝ちだ。

 

もうあと1㎝位、指が長くても良い。

それで丁度つり合いが取れる。

 

それで、ピアノの運指上どうなのかと言えば、鍵の上からきちんと弾くとなれば、8度まで、つまりオクターブが限度、キーの前縁(脇から)であれば9度まで、これが限界。

 

指はさらに一つ上の10度まで届くは届くが、単に届くというだけ。

打鍵はほぼ無理で、叩けば、他のキーを巻き込み正しい音は出せない。

 

つまり名目上10度までだが、これはハッキリ言って単なる騙り。

実質的には、9度までだが、これも辛うじてということで、運用にはかなりコツと練習が必要そうだ。

 

ということで、使い物にはなるのは、8度までとギリギリの指遣いであり、ピアノを練習しているうちに、必ずどこかで限界が来ることは間違いない。

 

男性にしては小ぶりの掌で、だから仮に少しずつ進歩しているとしても、いつの日か訪れる壁を考えれば、少しの進歩ですら喜ぶことは躊躇われる。