久しくオーディオ機器による音楽鑑賞を趣味として続けて来て、少なからぬお金もそのために投じてきた。
が、ごく最近になって音楽鑑賞を止めることにした。
理由はいろいろあるけれども、音楽鑑賞に身を投じてしまうと、他の事が何も出来なくなってしまう、ということに気づいたことが大きな一つの理由。
将来の事を考えて、何かを始めなくてはならないのだ。
そのためには、悠長に音楽など聴いている場合ではない。
尤も車を運転しているときは、運転に集中する以外に他にすることは無いから、BGM程度の音楽は流している。
オーディオ機器を通した音楽を聞いていると、他に何も出来なくなってしまう。
集中して聴くか、寝てしまうかのどちらかだ。
今、勤め先で壁を感じていて、その先を案じている。
だから、次の事を考えて何かを始めなくてはならない。
具体的には資格試験へ向けての勉強だ。
で、音楽鑑賞を止めたら、早速脳ミソの働きが変わったのか、見向きのしなかった資格の本などを手に取っている。
勢いついでに、簡単な楽典に関する本の中身を眺めてみた。
他の勉強に比べれば、はるかに学ぶ量は少なく程度も高くはないはずなのに、どうしたことか、全く頭に入ってこない。
この本は、ムックのように初心者向けに出来ているものであって、本当の音楽専門書ではない。
音楽系大学の専門課程で習う内容に比べれば、雲泥の差で優しいはずなのだ。
目はひたすら文字を追うが、字ずらを舐めるばかりで、肝心の理屈は脳神経に伝達されない。
音楽理論を先行して理解することは、この年ではほぼ不可能だ。
悔しいかな、これが現実だった。
こうなったら、具体的な練習を通じて、音楽に関する知識を習得していくしかないのだ。
譜面を見て練習し、判らないところが出たら本を見て調べる。そんなところ。
音階も長短全体を把握してやろうかとも思っていたが、辞めた。出来ない。
というのも、今のところ、ト長調、ニ長調まで知っていればどうにかなるのだ。
当面必要ない知識の習得は、体力を消耗するばかりだ。
全調覚えて通しの練習をするのは、遥か遥か先のことだからそれで良い。