プレハノンですら壁がある

中学生か、高校生の時だか忘れたが、多分、高校の時だろう、ピアノを習っている女の子が”バイエル”といかいう聞きなれない言葉を口にしていた。

 

その時は、ドイツ語っぽい響きだな、と思いつつ、詳しく聴きもしなかったから、何かの曲名の事らしいということで、自分の中で勝手に片づけた。

 

それから数十年。

 

少し前に、それは人の名前であり、その人が書いた教本を指して言う事が初めて分かった。

教本名はあるのかないのかも知らないけれど、煎じ詰めて、人の名前が本の名前になってしまったんだな。

 

”バイエル”を卒業なんていうと、日本でいうとどうなるのだ、滝廉太郎を卒業とでもいうのだろうか。

 

そして、ピアノの世界では、教本名称が人物名であり、かつ教本の内容、すなわちその水準が、人の名前であるらしきことも知った。

 

例えて見れば、モーツァルト=少し易しい

       ベートーベン=少し難しい

       ハイドン=難しい

       バッハ=反吐が出るほど難しい

                          こんな感じか。

 

それでですね。

手元に、プレ・ハノンと名を売った教本がある。例の2冊のうちの1冊。

 

ハノンというのも人物名で、本当はアノンというらしい。

※こんな名前の化粧品、あったんじゃなかったかな。

 

で、ハノンは初学者向けに、指使いの練習用の曲を沢山作った由。

上のリストでいうと、モーツァルトの上。

つまり、易しいということか。

 

そして、ハノンのプレ、つまりその前段ということで、持っている教本は、基本中の基本のさらに基本が書いてある。

 

内容は、例の指番号とオタマジャクシが対比されていて、順番にこのとおりに弾きましょうということが示されている。

 

オタマジャクシは当然だが、五線譜の中で位置をどんどん変えている。

 

でですね。

この本では、具体的に、指をどう使うかが書いていない。

 

だから、この本での練習は中座してしまった。

 

つまり、指くぐりなのか、指越えなのか、単に指の移動をすべきなのかが書いていないから、どうしたら正しく弾けているか、正しく弾けるかが分からなくなったのだ。

 

そして、この本は、先生が傍らにいて、これはこうするのですよ、こうすればよいのですよと、一つ一つ指示しながら使うものべきものであると思った。

 

ということでこの本の活用は今は止まっている。

が、偶に指の練習がてら使うことはある。

体育の準備運動、ラジオ体操みたいな感覚で。

 

ということで、ハノンに入る手前で早くも挫折している吾輩であった。