夢の国

で働くこと、入ることは難しい。

 

夢の国と言えば、東京ディズニーリゾート(ランド・シー)。

ここの現場で働く人たちの事をキャストというらしい。

 

働き先として人気があるから、採用されるのはなかなか難しいだろう。

みな、キャストに憧れているのだ。

 

さて、我が家の子供が、4月からアルバイトを始めることを決めて、アルバイト募集のあったところに申し込みをした。

 

サンリオ系のファンシーグッズなどを扱う所謂バラエティーショップで、そこに申し込みをすることは早くから決めていたらしかった。

 

お店は、(自宅から比較的近くの)大きな繁華街に立地する雑居ビルの中にあった。

 

丁度、学校卒業のシーズンで応募も多かったらしく、時期も悪かったのか、本人の履歴に今一つのところがあったのか、採用されることはなかった。

 

余り深刻に捉えることも無さそうで、別のアルバイト先をその街で探し始めた。

間もなくそれは見つかって、無事採用してもらうことも出来た。

 

こんどは、バラエティーショップではなく、ドラッグストアだった。

同じように、”モノ”扱うにしても、バラエティーショップとドラッグストアでは、随分雰囲気も異なるだろう。

 

ディズニーランドほどではないが、サンリオ系のバラエティーショップなら、ちょっとだけ、”夢の国”のような面もあるのではないかと思っていた。

 

その”夢の国”で、また募集があったら応募するかと子供に尋ねたら、もうその気は無いとのこと。

そして、では今の職場で何が善いのかというと、時給が好いとのだという。

 

そんなものか、と思った。

元々面倒くさがり屋だから、頻繁に勤め先を変えることはないと考えていたが、さほど変わらない時給のことで勤め先を決めるなんて、随分勿体無いことだと思った。

 

学生の内なのだから、お金のことはちょっと横に置いておいて、好きな事をやれば良いのだ。

そう、”小さな夢の国”に働くという夢を持っていたはずなのだ。

 

最終的には仕事をする本人が決めることだけれど、色々なことを経験するのが良いことだと個人的は思っている。

 

だから今のアルバイト先も、得る事得られたら、別のところを探し、出来たら最初に働くことを望んていた”夢の国”に勤められたら良いのではないかと心の中で思っている。

 

でも本人は、そんなこと我関せず。

過ぎたことを振り切った割り切りの良いその子は、時給の良いアルバイト先で、夜11時近くまで仕事をすることもある。

 

決めたら真っ直ぐ進む気性の持ち主らしい。

そのお金は、将来の留学資金に充当すると決めている。

 

兎に角、どんな”小さな夢の国”であっても、現実、そこに入るのは中々難しい。

そしてそれは少し寂しいことだと感じている。