を、今年初めて、聞く。
恒例、年度初発のニイニイゼミの声だ。
もう、7月になったのだ。
自分の子供の頃はもう少し遅くて、夏休みが始まる頃、だいたい梅雨が明けるか、明けないかぐらいの時に鳴き声が聞こえてきたように記憶する。つまり7月下旬。
最近では、セミの鳴き声を10月に入ってからも時折聞くことがある。
この(鮭の時知らずのように鳴きだす)セミの寿命は、恐らく短かろう。
10月に暑い日があったとて、そう長く続くものでもない。
やはり急に寒くなって、セミの活動が鈍り、コロンと逝ってしまうんだろう。
だから10月のセミの声は長く聞くことは無く、忽ちに止んでしまう。
ところで、セミも幼虫の時代を長く土の中で過ごす。
土の中の住人という意味では、モグラと同類だ。
だが、姿かたちは違うし、肝心の指(腕か)は、セミは鎌のような形の一本きりだ。
あれじゃ、ピアノはとても弾けない。
やはりセミは嫌だ。昆虫は嫌だな。
自分はモグラで良い。