脱力

鍵を叩く時は、脱力せよと。

 

如何様に脱力するのかが、今一つ理解できない。

 

確かに、Youtubeで観ると、リラックスして肩など殆ど動かしていないピアニストがいる。

 

指の動きもスムースだし、音も軽快に出ている印象。

 

だが、しかし、自分の場合。

 

脱力すると、うまく鍵を叩くことができない。

 

抵抗力のあるもの(鍵)を下に押し込むわけだから、そこに下向きの力が掛かっていることは間違いない。

 

だから指に力が入っていないことはないはずだが、力を抜けと説かれるとどうしてよいかわからない。

 

指なのか、手首なのか、肘の関節なのか、肩なのか。

 

相変わらずの小指ピン立ちで、これは確かに不要な力が込められているからなのだろう。

 

が、小指への緊張を抜くと、薬指の動きに引きずられて打鍵ミスが起こる。

 

また、小指を立たないようにするため、手のひら全体を浅く(平たくすると)、小指が打鍵するストロークが足りなくなっ打ちづらくなる。

 

余計な力が入って指が却って緊張する。

 

さて、どうしたら良いか。

 

Youtubeで、マルタ・アルゲリッチの手の動きを見た。

 

特に小指。

 

自由な発想の持ち主だから、指使いも自由なもの、独自なものと勝手に解釈した。

 

小指に結構力が入っている。

真っ直ぐにしたり、丸めてみたり。

 

脱力、という感じではないなぁ。

それでもどこかリラックスして弾いているのだろう。

 

アルゲリッチになった気持ちで打鍵してみた。

いつも失敗する曲がうまく出来た。

 

不思議なものだね。